山本 貴士(やまもと たかし)
1972年山口県生まれ
(株)エムビーエス代表取締役社長
- 講演可能地域
- 全国
- 主な講演テーマ
- 「私の創業体験談~倒産した父親のリベンジを果たせ!」
「ベンチャー企業の実状と必要性」
「とにかく会社を興すのが夢だった」
- 経歴
- 実家の倒産、両親の離婚などの事情で高校を中退。横浜の外車ディーラーに勤めるが1年で退職。郷里に戻って、個人事業として足場組みの仕事を始める。汗水流す肉体労働を続ける一方で、市場の将来と課題を冷静に分析。足場組みの作業効率を上げると同時に、新規事業として外壁リフォーム業を立ち上げる。事業は急成長し、売上高は平成16年度約3億円強を見込む。従業員数22人。第10回中国地域ニュービジネス特別賞受賞。
とにかく会社を興すのが夢だった。そのためには資金がいる。それで知人の紹介で住宅建築の足場組みの仕事を20歳のときに個人で始めた。きつかった。でも、人の嫌がる3K(きつい・汚い・危険)仕事をきちんとやり抜いたら、その後は何でもできると思った。山口県に戻って起業したのは父親のリベンジを果たしたかったからだ。今思えば修羅場をこの目で見たことは自分にとって大きかった。荒っぽい業界で、いまも脅しの電話がかかってくるが動じない。住宅の規格化が進み始めていたので、足場組みも効率化がポイントになると考えた。そこで、資材運搬から組み立て・解体の段取りの作業を分析し、もっとも効率的な作業工程を編み出した。その結果、他の業者が1軒に半日かかるところを1時間で終えたから、それこそ圧勝した。おかげで当時の月収は250万円を超えていた。人口に限りがあるのだから、いつまでもこんな景気が続くわけがない。いずれ市場はしぼむ。ならば余力があるうちに新規事業を立ち上げようと思った。外壁リフォーム現場の足場を解体していると施主がやってきて、いつも仕上がりに不満を言う。『新築当時の色と違う』と。当時の技術は上塗りが基本だから、文句を言っても業者から『上から塗るんだからしょうがない』と一蹴されてしまう。しかし、これは違うんじゃないか、業者の論理じゃないかと思い、それならば自分でリフォーム技術を開発してやろうと決めた。各種助成金を活用し、最後は数千万円あった貯金もすべてつぎ込んで技術開発を推進。そして開発したのが、上塗りするのではなく、表面を薄く研磨してクリアコーティングを施すという画期的な外壁補修技術「ホームメイキャップ」だった。2001年に特許を取得。仕事は殺到した。すでに本業の足場組みを上回り、外壁リフォームの売り上げは9割を占めるまでになっていた。2003年2月には、ダスキンと協同して山口県内で外壁リフォーム事業のテスト導入をおこない反響を呼んだ。大手企業が社員22人の中小ベンチャーと一緒に販促キャンペーン活動を行ったのである。エムビーエスはダスキンのネットワークを活用しながら全国展開に弾みをつける。「相手が大企業だからといってひるむ必要はないと思う。お互いの長所とノウハウを生かした対等なパートナーシップは可能だ。」汚れを研磨除去して、独自のコーティング技術により外装の美観を蘇生し、さらに必要ならば環境耐性強化する等のサービスを行うものであり、全国的な繋がりで販売活動を行っている。フランチャイズの展開も進め、現在急激に売上が伸びている。